業界別M&A動向

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ITサービス業界(SI業界)のM&A
キャピタル・エヴォルヴァーは、ITサービス業界(SI業界)に精通した
少数精鋭のプロフェッショナルがM&Aの支援を致します。
(1) ITサービス業界(SI業界)のM&Aの動向

社会で重要度が増している業界だが、一方で、クラウド化による単価の減少、標準化された低価格サービスの増加などにより、 業界全体の売上は必ずしも右上がりとは言えず、激化する競争の中、ITサービス業界はM&Aによる再編が必要な業界。 しかし、SIや受託ソフト開発などのITサービス業ではM&Aを仕掛けても、買収先の企業から人が辞めてしまったら何も残らない。そのため、人手不足の日本国内では、大型案件を避け、自分より経営規模が一回り小さい企業の吸収か、グループ企業同士のM&A(合併)がメインとなっている。 また、大手各社はM&Aによる海外展開を加速している。特にオフショア開発拠点としての中国展開や、旺盛な新興国需要への対応を急ぐ。 欧州企業のM&Aも行われている。 NTTデータやITホールディングスや日立システムズもM&Aで海外進出加速。

(2) ITサービス業界(SI業界)におけるM&A実行のメリット
<売り手のM&Aメリット>
  • 会社が存続する。従業員の雇用を守れる。従業員の家族の生活も守れる。
  • 大手の営業力、知名度を活用できる。財務基盤が安定する。
  • 後継者問題、経営者が最新技術についていけないと感じている場合には、それらの解決が出来る
  • 負債から解放される。
  • 営業基盤を補完することができる
  • 大手・中堅に近い企業と有力グループを形成することにより、元請に近いポジションを確保できる。
  • 大手と有力グループを形成することにより規模の経済を働かせることが出来る。
  • 単独では海外進出、地方進出が不可能な企業でも、他社との連携で海外進出、地方進出も可能になる。
  • 不採算部門、ノンコア部門を生かしてくれる先に譲渡することで、まとまった資金を手に入れ、コア部門に資金注入できる。
  • その他
<買い手のM&Aメリット>
  • 人材を確保
  • ノウハウを獲得できる
  • 営業エリアの拡大。
  • 顧客獲得
  • 元請に対しワンストップサービスを訴求し、他の仕事の受注を狙える。
  • 今まで社外に出していた仕事を内製化することで利益確保がしやすくなる
  • 一気に拡大できる。
  • 規模のメリットを享受できる(原価低減、間接コスト低減など)
  • 新しい業務の取り扱いなど、自社での立ち上げより時間・コストを節約できる
  • その他
(3) ITサービス業界(SI業界)においてM&Aを実行する際のポイント
<レンタルサーバ業>
  • レンタルサーバを利用する顧客はレンタル価格、提供サービス、回線能力、システム管理体制、サポート体制等をもとに判断するため、これらの状況を確認する。
  • サーバのリース代金や設備投資の減価償却費、人件費、広告宣伝費等が発生し、また、サーバを米国に設置する場合には、サーバ代金や現地保守料金等外国為替の取り扱いが必要なので、それを考慮した資金計画の確認。
  • サーバスペースを切り売りしており、顧客の増加に伴い、M&A後も、サーバ容量の増加資金が必要になるので、設備投資額と事業計画を確認する。
  • M&A後、レンタルサーバ自体が不要になるような技術革新が起こる可能性があるので、世界のIT情勢を的確につかんでいく。
<SI>
  • 期日通りに要求機能を果たせるマネジメント力があるか。
  • リスク・財務マネジメントの面でノウハウが十分か
  • 有能な人材の不足にどう対応しているか
  • 派遣型かそうでないのか(派遣型の場合は、自社にノウハウがたまっていないことが多い)
  • 労働集約型産業なので、M&A後、技術者が残るかどうかが最大のポイント。
  • 独自客の有無・比率。
  • 事実上の二重、三重派遣の有無。
  • 残業・労働時間。
  • 技術者の年齢、仕様言語、対応OSなど
  • 売上はシステムの完成時期であり、定期的に安定した収入は確保しにくいビジネスのため、システム構築の途中段階で資金需要が発生していくるため、それも考慮して資金計画、事業計画を確認
  • ハードとともにソフトへの投資も重要。ネットワークアナライザなど設備投資資金計画はどうなっているかも確認。
<情報処理サービス>
  • 大規模データベースやネットワークを活用した顧客、戦略思考型のERP(統合基幹業務)やEC(電子商取引)等のシステムを実施しなければ、企業の向上もなされなくなっているが、システムの中核部分に入り込んでしまえば、ユーザー企業としても外すことはできなくなる。こうした優位性をもっているか。
  • 技術力評価を行うことは困難だが、経産省の登録・認定制度であるSI認定・登録の有無、国家試験である情報処理技術者試験の合格者数によって、技術水準をはかることができるので、技術力評価を極力すること。
  • 回収条件は現金100%が一般的となっているため、運転資金はあまり必要がない。
  • ある程度の機械化投資は必要。また技術革新の激しい分野でもあり、顧客ニーズにこたえるため、M&A後に、最新設備の導入が必要な場合もあるので、それを考慮した設備投
  • M&A後、技術者が残るかどうかが最大のポイント。
  • 独自客の有無・比率。
  • 事実上の二重、三重派遣の有無。
  • 残業・労働時間。
  • 技術者の年齢、仕様言語、対応OSなど
(4) ITサービス業界(SI業界)関連のM&A等の例
  • 2012年 リコー、ドイツのITサービス企業をM&A(買収)
  • 2014年 日本電気がNECフォールディングをM&Aすると発表。(TOBにより取得)
  • 2014年 IBM(米)が中国のLenovoにx86 プロセッサ搭載サーバ事業をM&A(売却)すると発表
  • 2014年 電通国際情報サービスはビックデータ解析の技術をもつベンチャー企業のプレディクトロニクスと資本提携を発表。
  • 2014年 テプコシステムズは一部事業を新設会社日立システムパワーサービスに移管。
  • 2014年 トランス・コスモスはASEANで最大のe-BOOKストアOokbee(タイ)との資本業務提携合意。
  • 2014年 NTTデータは中国事業強化を目的に現地子会社を再編。
  • 2014年 三菱商事はインドのITサービス最大手、タタ・コンサルタンシー・サービス(TSC)と日本事業を統合。新たなITサービス合弁会社を設立。
  • 2014年 NTTデータは子会社のアイテリジェンス(ドイツ)を通じてSAP関連のホスティングサービスを手がけるギザ社(ドイツ)をM&A(買収)
  • 2014年 NECフィールディングは日本電気の完全子会社となることを受け、東証一部から上場を廃止。
  • 2014年 トランスコスモスは電子商取引サービスでSAHA GROUP(タイ)との資本業務提携に合意。
  • 2014年 トランスコスモスは連結子会社であるトランス・コスモスシー・アール・エム沖縄をM&A(吸収合併)すると発表。
  • 2015年 日立ソリューションズ・ビジネスと日立ソリューションズ・ネクサスは合併し日立ソリュージョンズ・クリエイトを設立
  • 2015年 アルゴグラフィックスはタイのITサービス会社をM&A(買収)
  • 2015年 野村総合研究所は米国のコンサルティング、ITサービスのBrierley & Partners, Inc.をM&A(買収)へ
  • 2015年 日立システムズはイタリアのITサービス企業をM&A(買収)。欧州IT市場に参入
  • 2015年 日立はフランスのITサービス会社オキシア社をM&A(買収)
  • 2015年 セゾン情報システムズはエフィッシモによるTOB(公開買付け)が開始
(5) M&Aをする際に気を付けるITサービス業界(SI業界)の関連法規等
  • 改正下請法
    新事業者が優越的な地位を使用して下請け事業者の利益を害する事を防止する法律
    改正で「情報成果物の作成に係る下請け取引」が追加となり、ソフト作成分野・サービス分やの事業者が新たに対象とされた。
    新事業者の資本金が1000万円以上であれば下請法適用対象となり、発注の際に支払い代金額や支払い期日などを指定された事項を全て記載された書面を交付することが求められていて、違反行為には罰金50万円の罰金刑が設けられている。新事業者が優越的な地位を使用して下請け事業者の利益を害する事を防止する法律
    改正で「情報成果物の作成に係る下請け取引」が追加となり、ソフト作成分野・サービス分やの事業者が新たに対象とされた。
  • 個人情報保護法
(6) M&Aをする際に参考にするITサービス業界(SI業界)の経営指標平均数値
業態 粗利率 営業利益率 自己資本比率 総資本
経常利益率
棚卸資産
回転期間
固定資産
回転期間
ソフトウエア業 52.31% 3.00% 28.64% 5.78% 0.34ヶ月 2.33ヶ月
情報処理サービス業 49.40% 3.91% 42.38% 5.03% 0.2ヶ月 4.74ヶ月
出典:帝国データバンク「全国企業財務諸表分析統計(第57版)
  • IT・システム関連
  • ITサービス業界(SI業界)
ITサービス業界(SI業界)基本情報
キャピタル・エヴォルヴァーは、ITサービス業界(SI業界)に精通した
少数精鋭のプロフェッショナルがM&Aの支援を致します。
(1) ITサービス業界(SI業界)の基礎知識

IT情報サービスはますます重要度を増していく社会の重要インフラを支える産業。 SI(システムインテグレータ)、情報処理サービス、ソフト開発の3つに大別される。

SIは、企業の運営や経営戦略に必要な情報システムの企画、プログラムの開発、必要なハードウェアの導入や運用サービスなどを提供する。 コンピューターメーカー傘下などの系列系、商社などを親会社に持つユーザー系、親会社を持たない独立会社系がある。 顧客の多様な要望の上にシステムを構築する必要があるため、何より人材が重要な経営資源となる。 建設業のように、多重的に下請に出す構造であり、約100万人が従事する。

<情報処理サービス>
  • 電子計算機などを用いて委託された計算サービス(顧客が自ら運転する場合を含む),データエントリーサービスなどを行う事業所をいう。
<レンタルサーバ>
  • インターネットサービスの1つ。
  • イントラネットはパソコン能力の向上と低価格化により中小企業においても導入が容易となっているが、中小企業ではネットワーク管理の人材に問題がある。
  • そこで、イントラネットの管理代行のレンタルサーバ業が活躍。
  • レンタルサーバ業の管理会社に企業の社内のデータベースサーバを構築し、各企業は自社の端末からインターネット経由でアクセスしてデータを利用するものである。
  • レンタルサーバ業の管理会社はデータベースの管理、更新、メンテナンスを継続的に行うサービスを影響する。

ポイント1・・・金融機関での大型投資案件やマイナンバー関連支出に加え、第3のプラットフォームを活用した新たなサービス提案、提供の実現が市場とベンダーの成長を左右する
ポイント2・・・ただし、大型案件開発により人手不足が起こり、事業構造改革は必須。
ポイント3・・・市場は成熟。海外進出に活路。

(2) ITサービス業界(SI業界)の動向

低価格の新しいサービスの利用が広がっている。

また、日本郵政グループのシステム投資、東京電力の持株会社以降に伴うシステム改修、 みずほ銀行のシステム統合や社会保障と税の共通番号(マイナンバー)対応のシステム開発など、数千億規模の大型案件が相次ぎはじまっている。 しかし、技術者不足が足かせに。 リーマンショックで市場が縮小して以降、人材の確保と育成を控えて来たが、そこで景気が上向き、また、相次ぐM&A(企業合併)によるシステム更新需要などにより市場が拡大し、技術者不足が顕在化してしまっている。 技術者不足になると、他の案件対応が後回しになるため、市場拡大効果は少ないだろう。対応力を超えた受注で赤字案件も目立ってきている。

大型案件による需要増はしばらく続くが、各社の事業構造改革は必須。

大手企業ではIT人材情報を集約し、最適な配置を行い、人手不足に対応する動きもみられる。各社とも技術者不足の解消が成長のポイント。 各社は従来の受託開発中心のサービスから業務のアウトソーシングやクラウドを含めた総合的なサービスの提供へ以降している。同時に高品質なサービスを提供するためのIT人材の獲得が今後の課題。

(3) ITサービス業界(SI業界)の市場規模
業界規模
  • <ITサービス>
    5兆1,893億円 (2014年度、IDCジャパン調べ)
    (2015年以降成長率は鈍化するものの、成長が継続すると予測)
  • <ソフトウェアおよびソリューションサービスの国内市場規模>
    SI開発:2兆7708億円
    ソフトウェア:7669億円
    アウトソーシングサービス:2兆768億円
    合計 5兆6145億円
    (2013年、電子情報技術産業協会(JEITA)資料)
(4) ITサービス業界(SI業界)のプレイヤー
系列 会社名 特徴 売上
独立系 富士ソフト 携帯電話など家電や自動車向けの組み込み系ソフトに強み。マイクロソフトやグーグルなどとも提携。クラウド事業に注力 1053億円
大塚商会 システム構築から保守まで一貫。中堅・中小に強み。オフィス通販「たのめーる」も 6545億円
ITホールディングス クレジットカードなど金融向けが主。TIS、インテックなど傘下に約40社。国内外にデータセンター新設。アジアへも進出。産業ITサービスが好調 3466億円
ユーザー系
(商社系)
伊藤忠テクノソリューションズ 海外IT機器の販売を出発点にソフト、サービスに注力。通信事業者向けが主力。システム基盤構築と機器販売に強い。アジア進出加速 3494億円
三井情報(MIKI) 三井物産が58.37%出資。 460億円
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ 2014年三菱商事とインドのタタ・コンサルタンシー・サービシズのIT事業再編で新会社設立。 新会社
SCSK 2011年に住商情報システム(SCS)がCSKを吸収。子会社にクオカード。流通、製造向けシステムに強い。働きやすさ改善に注力。 2882億円
ユーザー系
(その他)
日本ユニシス 三井物産系から2012年に大日本印刷資本下(持ち分法適用)に。金融、空運、流通など幅広い業種と取引。金融向けシステムが主力。 2826億円
NTTデータ SI専業最大手。金融など社会システムに強み。業界最大手。M&Aで海外進出加速。 1兆3437億円
野村総合研究所 証券向けシステムに注力。2012年味の素の子会社買収。コンサル、システム開発・運用の一貫体制。顧客は金融機関と流通業が中心。コンサルティングにも定評あり利益率高い。 3859億円
日本オフィス・システム 企業のIT業務アウトソーシング(BPO)が主力。日本アイ・ビー・エムの特約店第1号として、兼松江商株式会社(現兼松株式会社)と日本アイ・ビー・エム㈱の共同出資(兼松65%、IBM35%出資)により設立された。2015年兼松によるTOBで上場廃止。 107億円
トランス・コスモス デジタルマーケティングが主力 1865億円
富士ソフト 独立系のIT企業 1054億円
ネットワンシステムズ ICT基盤の構築とサポート 1424億円
新日鉄住金ソリューションズ 新日鉄住金系だが依存度2割弱。製造業に強い。技術力に定評あり。データセンター事業に注力 1799億円
日立製作所
グループ
日立製作所 部門売上国内2位。ITサービスを拡大 IT事業売上 
1兆9549億円
日立ソリューションズ 2010年10月、日立ソフトウェアエンジニアリングと日立システムサービスが合併した発足 2854億円
日立システムズ 2011年10月、日立電子サービスと合併。主に中小企業向けシステム構築・運用に強い 3851億円
日立コンサルティング 日立グループのコンサルティング機能を終結  
外資系 アクセンチュア 米系コンサルティング会社大手。ITを活用した経営改革支援、業務受託事業に強み。  
EMCジャパン データ解析とストレージに強いEMCコーポレーション(アメリカ)の日本法人  
日本IBM 全世界のIBMとの連携を加速。環境配慮都市など社会インフラ事業を拡大する。IT活用で「スマート化」うたう。 8804億円
富士通グループ 富士通 部門売上国内1位。ITサービス、サーバーで国内首位。 IT事業売上 
3兆2430億円
富士通エフサス 情報システムの運用・メンテナンスなど。 2831億円
富士通マーケティング 富士通グループの中堅企業向けにビジネスを一手に担う 2033億円
富士通総研 グループのコンサルティング機能の中核を担う 68億円
NECグループ NEC 既存のSI事業を拡大 IT事業売上
 2兆5173億円
NECソリューションイノベーター 2014年4月、系列のソフト開発7社が統合  
NECフィールディング 全国400超の拠点があり、システム運用、保守を展開 1876億円
アビームコンサルティング 経営戦略からITシステム導入で幅広くコンサルティングサービスを手掛ける。 570億円
データセンター ブロードバンドタワー 映画配信事業、ECサイトの構築・運用も手掛ける。 235億円
ビットアイル 寺田倉庫の設備利用。第5データセンターが稼働 166億円
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